院長ブログ
産後の腰痛なぜ起こるの?|桂川産後の腰痛専門院【京都中丸整体カイロプラクティック】
産後、多くの女性が骨盤周りの変化や腰痛の痛みに悩まされます。
桂川産後専門院の当院に来られる患者様で多いのは、12週(3カ月)の時点での骨盤周りや腰の痛みを経験する女性の割合は、約50%にも及んでいます。
育児を頑張る結果、ついつい母親自身の健康が後回しになってしまいがちですが、育児のためにも、これからの仕事のためにも、老後の為にも、
まずは自身の健康について考えてみましょう。
記事の信頼性
・国際基準認定カイロプラクター
・約2万人以上の施術経験
・産後ママの口コミ地域No.1
・海外での資格保有者
骨盤の構造とは?
骨盤とは、いくつもの骨が集まり構成されているため、骨盤という骨はなく総称のことです。
このようにいくつもの骨が合わさることで骨盤ができているため、骨盤はゆがみやすい部分でもあります。
特に産後の骨盤はデリケートなため腰痛などの症状が出やすいとされています。
骨盤は左右の寛骨、仙骨、尾骨により構成されています。
さらに上の図の※マークに書いてある通り、寛骨も総称であり、腸骨・坐骨・恥骨が一つになり寛骨となります。
骨盤=左右寛骨(腸骨・坐骨・恥骨)+仙骨+尾骨
このようになります。
寛骨と仙骨の間の関節を仙腸関節(せんちょうかんせつ)といいます。
骨盤の歪みはこの部分(仙腸関節)で起こります
仙腸関節
骨盤の後ろは仙腸関節でつながっており、骨盤の前は恥骨でつながっています。
恥骨結合
この部分を恥骨結合といい、軟骨によってつながっています。
女性が出産する際はこの部分が開き骨盤が広がることで、赤ちゃんの通り道が広がり産まれてきます。
骨盤は臓器を守っています。骨盤の中には膀胱、腸、子宮など大切な内臓が入っています。
さらに骨盤は上半身と下半身をつなげる重要な部分でもあります。
骨盤から上は腰骨(腰椎:ようつい)でつながっており、骨盤から下は股関節でつながっています。
骨盤の男女差とは?
骨盤はカラダの中で最も男女で大きな差があります。
男性と女性で一番大きな違いは出産です。
女性は出産をするため、出産をしやすいような骨盤の形に作られています。
男女の骨盤の違いについてご説明します。
一つ目:骨盤腔の広さ
骨盤を上から見た時のこの丸い部分を骨盤腔といいます。
骨盤腔は女性の方が広い特徴があります。
二つ目:恥骨下角の広さ
上記の図にもある恥骨下角はこの部分になります
恥骨下角は女性の方が広く80〜90°です。ちなみに男性は60〜70°になります。
三つ目:仙骨の大きさ
上記の図のオレンジ色仙骨は女性の方が幅が広く短い構造になっています。
四つ目:腸骨翼(ちょうこつよく)の開き傾き具合
腸骨翼の傾きはこの部分になります。
左右の腸骨の片側を見た図です。(マニアックですがしばしお付き合いください。笑)
女性の方が垂直に近い状態となります。
このように女性の方が全体的に骨盤が広く開きやすい状態となっています。
これは先程ご紹介したように、出産時に赤ちゃんが通りやすいようにカラダが作られているためです。
骨盤の特徴や出産などが要因の一つとなり、骨盤が広がったり歪むことがあります。
元々女性の方が骨盤が広いという特徴に加え、出産により骨盤が開くため骨盤の後側の仙腸関節や前側の恥骨結合による安定性が著しく低下しています。
それに加え骨盤周りの筋肉も落ちているため、更に骨盤が広がりやすい状態になっています。
元々のカラダの作りや女性特有の出産が要因となり、男性よりも女性の方が骨盤が広がったり歪むことが多い傾向にあります。
これで、だいたい骨盤ってどんな形してるの?男女で違うの?などお分かりになられたかと思います。
それでは、本題の産後の腰痛の原因です。
産後に骨盤や腰が痛くなる原因は!?
産後女性が痛みを感じる部位としては、腰部、仙骨、恥骨、膝などあります。
では、なぜこれらの場所に痛みを感じるのか、
原因は以下の通りです。
■ 産後しばらくは骨盤が緩んだまま ■ お腹や骨盤周りの筋肉(インナーマッスル)が働きにくくなっている ■ 育児により、今までよりも腰への負担が大きい生活になっている ●ストレス
●睡眠不足 |
これらの要因により、
産後の女性は骨盤周りや腰に痛みを
感じやすくなっています。
それぞれについて解説していきます。
産後しばらくは骨盤がゆるんだまま
妊娠すると、関節や靭帯をゆるめる作用のあるリラキシンというホルモンが分泌されるようになります。リラキシンの作用により、分娩時に赤ちゃんが産道をスムーズに通り抜けられるようになります。リラキシンは妊娠40週目くらいでピークに達し、産後しばらくはこのホルモンの影響により骨盤の関節や靭帯が柔らかくなっています。
骨盤はいくつかの骨(仙骨、腸骨、恥骨、坐骨)で構成されています。左右の骨盤をつなぐ恥骨結合という部分があり、これがリラキシンによりゆるむことで骨盤のカラダを支える力が弱まり、結果として恥骨痛や腰痛を感じるようになってしまう恐れもあります。
また、骨盤の関節や靭帯が柔らかくなることで、これを固定するために骨盤周囲の筋肉は今までよりも働かなくてはなりません。それにより、今までよりも筋肉の疲労が蓄積しやすくなり、痛みを感じるようになってしまうこともあります。
お腹や骨盤の筋肉が働きにくくなっている
妊娠中の女性はお腹が大きくなります。お腹が大きくなることで、腹筋が引き伸ばされ、そのままの状態でしばらくの間はいることになります。
本来、筋肉には働きやすい長さがあり、筋肉が伸びきった状態や縮こまった状態ではうまく力を発揮できません。お腹の大きさは妊娠前の状態まで戻りますが、長期間お腹が大きかった影響で、産後は腹筋が伸びきった状態となってしまい、うまく縮めなくなってしまいます。
また、お産のときに骨盤底筋という骨盤の底に付く筋肉も引き伸ばされるため、この筋肉も縮みにくくなってしまい、機能が低下してしまいます。
この骨盤底筋の緩みが産後の尿漏れを引き起こす原因にもなります。
腹筋や骨盤底筋の機能が低下することで、腰の筋肉への負担は増大し、腰痛になりやすくなってしまいます。
→ 産後の尿漏れ
育児で今までよりも腰への負担が大きい生活になっている
赤ちゃんが産まれたことで、抱っこをする機会が増えます。今までの日常生活に加えて、赤ちゃんを抱っこする機会が増えたことで腰への負担は大きくなります。また、赤ちゃんは成長とともに体重も少しずつ大きくなっていくので、それに伴って腰への負担も少しずつ大きくなることになります。
赤ちゃんをベッドから抱っこする時や、抱っこひもをしての移動や家事の最中など腰に負担を強いる動作は日常の中にたくさんあります。腰を痛めないようにするために、知識と注意が必要です。
ストレス
産後の慣れない育児では疲れたりストレスが溜まることも増えてくると思います。ストレスは自律神経のバランスを崩し、血行を悪くする原因に。血行の乱れが腰痛を引き起こすこともあります。
睡眠不足
ストレスとも近いですが、育児疲れの一環で、夜ぐっすりまとまって寝れる時間が無い、そのため睡眠不足になってしまうママは億います。睡眠不足は体に疲労を溜め血行を悪くしてしまう原因にもなるので、その結果、腰痛が引き起こされる可能性があります。
以上のように、産後はこれら5つの原因が組み合わさることで、骨盤周囲や腰への負担は大きくなり、痛みが生じるリスクが高くなってしまいます。
痛みの原因となる可能性のあるものが多いため、骨盤周りや腰の痛みの原因は特定しにくいのも特徴的です。何が原因で痛みを感じているのかがわからないことがストレスに変わり、ストレスにより痛みが助長されてしまう恐れもあります。
まずは、様々な要因で痛みが出るということを理解しておいてください。
自宅で簡単にできる!産後腰痛の予防法
1.同じ姿勢をとり続けない
一般的な腰痛でも言えることですが、とにかく同じ姿勢をながく続けることは好ましくありません。例えば、授乳時。特に産後すぐで赤ちゃんが小さいころは、吸綴(きゅうてつ)力が弱く、ママも飲ませようと必死になるためどうしても前かがみになってしまうもの。そのため、同じ姿勢で窮屈な状態になってしまいがちです。
とりわけ新生児のころは吸う力が弱くて授乳させるのにも時間がかかります。また、少し慣れてきても「遊び飲み」をしはじめて時間がかかり、なんて悩みも続けさまに。上手に授乳期間を過ごそうとすればするほどに、ママの姿勢は同じような姿勢のママになってしまいがちで、同じ姿勢は、腰痛の原因になってしまいます。
2.骨盤ベルトを着用する
これは腰痛にはもちろん、お尻の痛みや骨盤ケアにも効果的。 色んな種類がありますが、それぞれ「つけ始める時期」「サイズ」「素材」が違うので細かく吟味してみてください。
装着時は、「恥骨」と「大転子(だいてんし)」のラインに骨盤ベルトを巻いて使用し、巻いたあと手がスッと入るぐらいの余裕を持たせることがポイント。
骨盤矯正ベルトは産後だけでなく、妊娠中から腰痛があった人でも購入し、産後まで長く利用することも多いです。最初は装着が難しいかと思いますが、慣れてくると自分に合った位置がわかり、骨盤関節が“キュッ!”と締まった感覚が得られ気持ちいいものですよ。
3.産褥体操をしてみよう
産褥体操は、運動が苦手な人でも簡単にできる体操です。産後の体の回復を手助けしてくれる産褥体操は、産後一日目から出来るのでぜひ試してみて下さい。なお、産褥体操は腰痛改善だけではなく、子宮収縮の促進や血栓症予防などの効果もきたいできます。
4.軽いストレッチで筋肉をほぐす
家でも手が空いた時に骨盤体操をすることをおすすめします。一例として簡単にできるストレッチをご紹介。
仰向けで寝て、手は体の横に広げて、脚を反対側に倒します
それを左右交互に20秒ずつします
1~3セット程度でいいので、ちょっと横になった時や寝る前などに試してみてください。
毎日続けることで効果が出てきますよ。
5.重いものをもたない
重いものを持つ時の姿勢って、中腰で腰が「く」の字に曲がって前傾になりますよね。この時、やっぱり腰には大きな負担がかかってしまいます。産後は赤ちゃんのだっこや授乳で腰を酷使しているので、育児以外で負担になる動作は避けたい所です。
どうしても重いものを持ち上げなければいけない場合、中腰にならず腰をしっかり落とし、体全体で腹筋を使って持ち上げるようにしましょう。
6.体を温める
新生児は睡眠が浅く消化機能も未熟なため、昼夜問わず頻回の授乳が必要です。時には数十分おきにあげることもあり、その都度ママは服をめくりお腹を出すことになります。冬は腹巻きなどで冷え対策ができますが、夏は意識が乏しくクーラーが効いた部屋でお腹を冷やしがち。冷えは腰痛にダイレクトにつながるため、常に体を冷やさないことを意識しましょう。シャワーより湯船に浸かる、血行のよくなる根菜類を食べる、など体を温めることで予防できますよ。
7.ストレスをためない
ストレスは万病のもとと言われますが、なんと腰痛とも密接な関係が指摘されています。赤ちゃんのお世話はかわいくて癒されて楽しいですが、子育てはまだ始まったばかり。この先何年も育児は続きますから、ママ自身もリラックスできる場所を作っておかないと、息切れしてしまいます。
たまにはパパに協力してもらってカフェでお茶したり、美容院に行ったりする時間を作りましょう。時々赤ちゃんと離れた時間を作ることで、とてもリフレッシュでき、また前向きに育児を楽しめますよ。
8.整体に行く
『専門家(プロ)』にお任せする方が確実で良いでしょう。
桂川の当院では、産後2週間~大丈夫と言っておりますが、帝王切開だった方や不安な方は産後一ヶ月健診を受けた際、主治医さんに相談してみましょう。
→ 産後の骨盤矯正いつから始めるの?
専門家の整体に行った後は腰痛は軽減しますし、足のむくみ改善などもあわせて期待ができます。ただし、この方法は施術者の“腕”に左右されるところが大きいので、周りに実際に整体に通った方がいれば、先生の腕はどうだったか?など参考に聞いてからマッサージを受けに行くほうがよいでしょう。
→ 失敗しない!産後の整体院の選び方
9.寝方を改善
腰痛の緩和には“温める”ことが大切。そのため、夜寝る前にお風呂に入り湯冷めしないよう暖かい状態ですぐにお布団に入るのがおすすめです。体を温めるとことは血行を良くし腰痛の緩和を助けます。
また寝る前のスマホ・パソコンも控えたいところ。スマホやパソコンから発するブルーライトは睡眠の質に影響を与えます。就寝前はスマホ・パソコンを触らないよう注意してください。
なお、寝る環境を変えるのも効果的。就寝時間は人生の3分の1を占めるほど。就寝時に“どのような環境で寝るか?”は体に大きく影響します。体へ優しいクッション性の高い就寝環境にするよう心がけましょう。
10.ウォーキング
「ウォーキング」も産後腰痛対策として効果的でおすすめ。ウォーキングは体の筋肉の血流がよくなる助けになるので腰痛改善へとつながります。もちろん産後のデリケートな状態ですので無理は禁物。まずは週に2,3回のペースからはじめていただき徐々に毎日出来る様に体を慣らしていきましょう。またウォーキングはストレス改善も役立ちますので一石二鳥です。
11.食生活の改善
腰痛にはタンパク質・ビタミンD・カルシウム・マグネシウム、などの栄養分がおすすめ。即効性のあるものではないですが、日ごろから摂取し続けることで、徐々に体質改善の手助けになってくれます。また、食生活の改善は腰痛改善だけでなく、赤ちゃんに与えるおっぱいの質を改善してゴクゴク飲んでくれる、母乳の出を手助けしてくれる、などの働きも併せて期待できるので、そういった意味でも日ごろからケアしておきたいところです。
さいごに
産後の腰痛の原因は、骨盤の歪みからおこりますが、日常生活の動作のちょっとした工夫で症状が緩和されることが多いです。
あまりにも産後の腰痛・お尻の痛みがひどい場合は、何か病気が隠れている可能性もありますので、整形外科で診察を受けるようにしましょう。
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