院長ブログ
マッチョは風邪をひきやすい?
スポーツ選手やボディービルダーなどをはじめとして、鍛えている人にはマッチョな人が多いです。
見るからに強くて健康そうに見えますが、意外にもマッチョで筋肉質な人は、風邪を引きやすいというのですから驚きです。
4年に1度のスポーツの祭典・オリンピックでは、大会期間中に選手の3人に1人が風邪を引くという調査結果もあります。
鍛えられた体で食事にも気を遣っている一流アスリートのオリンピック選手は、いかにも健康そうに思えますが・・・。
どうして体を鍛えたマッチョな人は、風邪を引きやすいのでしょうか。
免疫力の低下
体を鍛えようとして激しい運動をすると、大量の血液が筋肉に流れて、皮膚や粘膜の防御機能が低下してしまいます。
激しい運動をすることで呼吸数も多くなって気管が乾燥するので、病原菌も付着しやすくなります。
さらにトレーニングなどの過労が重なると、免疫機能をもつナチュラルキラー細胞の働きも下がってしまい、病原体の侵入を許してしまうというわけです。
例えば、トレーニングの合宿中に集団食中毒などが起こると、監督やコーチよりも、マッチョに鍛えているはずの選手の方が症状が重くなることが多いといいます。
免疫力を低下させるテストステロン
男性ホルモンのテストステロンは、筋肉トレーニングなどによって分泌が促進されることが分かっていますが、このテストステロンは、体がウィルスと戦うことを抑制する効果があるといわれています。
太古の昔から、男性はケガや病気になる機会が多く、免疫システムが過剰反応を引き起こすようになったので、テストステロンのような非活動的な免疫システムができたのではないかと考えられています。
免疫力の低下とテストステロンの働きが相まって、風邪を引きやすくなるというわけです。
冬はハードなトレーニングは控えめに
冬の低温で乾燥した状態は、ウィルスには絶好の環境なので、ただでさえ風邪やインフルエンザなどに罹るリスクは高くなっています。
マッチョに鍛えようと激しいトレーニングをすると、そこに免疫力の低下とテストステロンによる免疫抑制の効果がダブルで効いてくることになります。
風邪を引きやすくなるのも当然かもしれません。
早めの風邪対策
風邪かなと思ったら、まずは休むことが大事。
風邪を引くと熱が出ますが、これは体がウィルスと闘っている証拠。
熱があった方が免疫力が高くなり、ウィルスも熱には弱いので、極端な高熱でなければ解熱剤は飲まない方が良いといわれています。
スポーツ選手なら、薬によるドーピングも心配になります。
ウィルスは湿度にも弱いので、部屋の湿度を上げるようにし、また、外出時にマスクをすれば自分の息で気管を乾燥から守ることができます。
これからの寒い冬、風邪を引かないよう十分に気をつけましょう。